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食用油の保存方法
知っておくべき4つのポイント


 食用油が腐ることはありませんが、開封した時からだんだん酸化が進み、品質が低下していきます。開封後はなるべく早く使い切るのが理想ですが、量が多かったり、使用頻度が少なければ、すぐにはなくなりません。ここでは食用油を長持ちさせる保存方法について紹介します。

<この記事の著者> かえる先生
 世の中にたくさんある食用油の種類や特徴、使い方、調理方法などをわかりやすく解説し、食用油のおいしさ、大切さを伝えていきます。

目次


開封した時から酸化は進む

 「食用油が腐った」という話は聞いたことがないと思います。食用油は腐ることがないため、シーチキンなどのように食材をオイル漬けにすることで長期保存することができます。

 しかしその一方で、食用油は酸化することで品質が低下し、色が変わったり、風味が変わったり、体に悪い物質が発生したりすることがあり、適切な保存が必要となります。

 酸化が進んでしまった油で揚げ物をすると、胃もたれや胸焼け、吐き気を催すこともあり、注意が必要です。食用油の品質は保存条件によって大きく変わってくるのです。

 食用油がいたむというイメージがないから、ついついそのあたりに置きっぱなしにしていませんか?一番多いのはコンロの横に置かれているケースです。実はその場所、油にとっては非常によくありません。

 食用油の酸化に関わる原因は、主に「光、空気、温度」の3つが挙げられます。また、揚げ物に使用した油を保存する場合には揚げカスの処理も大切です。おいしさを保って長持ちさせるためには、これらの原因に気をつけて保管する必要があります。

保存のポイント@ 光を避ける

 油は光を嫌います。光が当たり続けると油の酸化が進んでしまうため、暗い場所にしまっておく必要があります。食用油の種類によっても、酸化に強い油と、酸化に非常に弱い油があり、商品の入れ物自体が遮光性の高い褐色瓶に入っていることもあります。

 業務用であればスチール缶に入っていますが、一般家庭で使用する食用油の容器は半透明のプラスチックボトルや透明なガラス瓶がほとんどですので、使用後は戸棚の中やコンロの下など、光が当たらない場所に保管するようにしましょう。

保存のポイントA 熱を避ける

 油は熱も嫌います。「炒め物や揚げ物に使っているのになぜ?」と思われるかもしれませんが、加熱に使える油も確実に熱によって酸化が進んでいきます。

 食用油の種類によって発煙点が異なり、加熱に強い油もあれば、加熱厳禁の油もあります。しかし、どんな油でも加熱調理をすれば酸化が進んでいると考え、揚げ油であればさし油をすることで油の酸化度を一定に抑えることができます。

 調理に使用する食用油のボトルをコンロ横についつい置いてしまいがちですが、調理中の熱でボトルが加熱されてしまいますので、これも要注意です。

 また、加熱調理に使用していなくても、買い物中に炎天下の車の中に油を放置しておくだけでも酸化は進んでいきますので、開封前だからと言って油断は禁物です。

保存のポイントB 空気に触れさせない

 食用油の酸化は空気中の酸素と触れ合うことで起こるため、開封後はしっかりとキャップを閉めておく必要があります。

 食用油メーカーではボトルも工夫されており、開封前に酸化しにくいように作られていますが、開封後は徐々に酸化が進みますので、一般的なサラダ油の場合でも賞味期限に関わらず、1〜2か月を目安に使い切るように心掛けましょう。

保存のポイントC 揚げカスを取り除く


 揚げ物に使った油は、また次回使うつもりで鍋に入れたまま、コンロ周辺に置きがちです。しかし、ボトルに入っている油と違い、鍋に入ったままの油は空気に触れる面積が広く、酸化が進みやすくなります。

 また、ただでさえ高温調理によって酸化が進んでいるのに加えて、揚げカスが入ったまま放置してしまうと、さらに油の酸化を早めてしまいます。

 揚げ物に使用した油は、速やかに濾し器(キッチンペーパーやコーヒーフィルタでもよい)で揚げカスを取り除く必要があります。油が冷めると粘度が高くなり、濾しにくくなりますので、なるべく熱いうちに濾すのがお勧めです。

 油を濾した後は蓋付きの容器に入れて、冷暗所で保管するようにしましょう。濾し器のついた遮光性の保管容器も販売されていますので、うまく活用すると手間が省けます。

食用油を保存する際のポイント

 以上のことから、食用油を上手に保存するポイントは以下の4つになります。

@ 光を避けるために暗い場所に保存する(流しの下など)。

A 温度の高いところを避けて保存する。

B 空気との接触を極力減らすため、栓ををきちんと閉める

C 揚げ物に使用した油は速やかに揚げカスを取り除く

 このほか、酸化に強いごま油を少量加えると、ごま成分のセサモリンが天然の抗酸化剤の役割を果たし、油を長持ちさせます。



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