揚げ物にはたくさんの油を使いますので、せっかく揚げ物をするなら失敗せずにおいしい揚げ物が食べたいですよね。サクッと上手に揚がった天ぷらやから揚げ、フライは本当に絶品です。揚げ物を上手に揚げるコツについて、正しく知っておきましょう。
上手に揚げ物をする第一歩はなんといっても揚げ物に適した油の温度を知ることです。これを間違えてしまうと表面だけカリカリで中が生だったり、油でギトギトの揚げ物になってしまいます。最適な揚げ温度は以下の表を参考にして下さい。
(揚げ温度の幅は材料の種類や好みによるものです)
料理 | 温度 |
---|---|
野菜の天ぷら | 160〜180℃ |
魚介の天ぷら | 180〜185℃ |
かき揚げ | 180〜185℃ |
コロッケ | 170〜180℃ |
とんかつ | 160〜185℃ |
ドーナツ | 160〜170℃ |
魚のフリッター | 160〜170℃ |
冷凍食品 | 190〜200℃ |
油の温度を温度計で測るのが一番ですが温度計のない家庭がほとんどです。温度計付きの揚げ物鍋などもありますが、ここでは簡単に温度を知る方法をご紹介します。
@ 水溶きした衣を油の中に一滴落としてみる方法
A 水で濡らした割り箸の先を油の中に入れ、箸の先から出る泡の出方を見る方法
天ぷらの美味しさはなんといっても衣のカラッとした食感です。衣がサクサクしているほど美味しいと感じます。でも家で天ぷらを作るとなかなかサクサクにはなりません。何が問題なのでしょうか?
天ぷらがカラッと上がらない原因の一つに小麦粉の溶き方があります。小麦粉にはグルテニンとグリアジンというタンパク質が含まれており、水を加えて混ぜる事でこのグルテニンとグリアジンが絡み合って網目構造のグルテンができます。
このグルテンは水分の蒸発を妨げるため、油で揚げても水分の蒸発が十分でなく天ぷらがベターっとしてしまうのです。このグルテンを作らないようにすることがポイントです。
まず小麦粉は薄力粉(天ぷら専用がよい)を使い、水は氷水を使います。箸で衣を溶く時は切るように混ぜ、時間をおかずに早く使うようにします。
よく一般家庭ではとんかつを揚げる際、揚げ温度をフライの適温といわれる180℃にして揚げています。確かに衣はサクサクで中にも火の通ったとんかつができますが、専門店で食べるとんかつとは違います。
専門店で食べるとんかつはもっと柔らかいです。どうしても家庭で揚げるとんかつはかたくなりがちです。「肉が違うんじゃないの?」と思いますが、実は揚げ方も違います。
プロは始めに150〜160℃で4〜5分揚げます。内部まで火が通りますが、衣はあまりサクサクしていません。次に180〜185℃の油に入れこんがりとキツネ色になるまで揚げます。プロは温度の違う2つの鍋を使って二度揚げしているのでさくさくで柔らかいとんかつができるのです。
しかし家庭ではそうはいきませんので、まず弱火でじっくりと揚げ、それから温度を上げてキツネ色のサクサクになるように揚げるとおいしいとんかつができます。
カキのように水分が多いものを揚げるのはスピーディーにやることがポイントです。時間をかけていると水分で衣がくずれてしまいます。衣は揚げる直前に作り、材料にからめたらすぐに揚げるようにしましょう。
カキフライのように中が多少トロッと生のほうが好まれるものは、油の温度を200℃くらいの高めにして短時間で揚げることがコツです。油の温度を高くする事で衣の外側に膜を作り、中の水分が逃げないようにします。揚げ過ぎると中がパサパサのおいしくないカキフライになってしまうので注意が必要です。
冷凍食品でパンクする代表格といえばコロッケです。原因のひとつは冷凍食品を買って冷凍庫にしまう前に一度解凍してしまってから再凍結した場合です。
揚げ温度は200℃くらいの高めがよく、早く外側の衣を硬くするするのがポイントです。温度が低かったり、たくさん入れ過ぎて温度が下がってしまうと、衣が軟らかくなってパンクしやすくなります。
冷凍食品は少しずつ油に入れ、始め1分間は箸で触らない事がパンクさせないポイントです。また揚げる前にレンジで1分ほど加熱してから揚げると油の温度が下がりにくく揚げやすくなります。
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