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綿実油はどんな油?
知っておきたい特徴と使い方


 綿実油は私たちの身の回りに溢れているタオルや肌着など、綿製品の原料となる綿花の種子から作られた油です。クセがなく、生食でも加熱でも使える便利な食用油として重宝されています。綿実油がどのような油なのか、ぜひとも知っておきましょう。

<この記事の著者> かえる先生
 世の中にたくさんある食用油の種類や特徴、使い方、調理方法などをわかりやすく解説し、食用油のおいしさ、大切さを伝えていきます。

目次


綿実油はどんな油なの?


 綿実油は「めんじつゆ」と読み、綿花の種子から採った油で、コットンシードオイルとも呼ばれています。綿花と聞くとフワフワの綿を想像してしまい、油とは無縁のように感じてしまいますが、油があるのは綿ではなく種子の部分です。

 そもそも、綿花はアオイ科ワタ属の多年草であり、繭玉のように繊維に包まれた種子ができます。この種子から取った繊維を「木綿(もめん)」または「コットン」と呼び、衣類の原料として世界中で使われています。

 この木綿の栽培の歴史は非常に古く、数千年前のインダス文明の時代にはすでに木綿の栽培が行われていたとされています。

 フワフワとした綿と油はなかなか結び付きませんが、ワタの栽培は世界中で行われており、繊維を取ったあとの種子もたくさん発生します。この種子の中には25%程度の油が含まれており、種子の搾りかすは家畜の飼料などに有効活用されています。

 綿実油は19世紀頃にアメリカやヨーロッパで製造が始まったと言われています。大豆油の生産量が増加したことで綿実油の生産量は減少しましたが、それでも綿実油は世界中で幅広く使われている食用油の1つです。

和名 綿実油
英名 Cottonseed Oil
科名 アオイ科
原料部位 綿の種子
保存法 常温、暗所
調理方法 生食、加熱


綿実油の特徴

 綿実油には抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれており、酸化に強い食用油であると言えます。ビタミンEの抗酸化作用によって体内での活性酸素の発生が抑えられ、美容や老化防止に役立つと考えられています。

 綿実油の発煙点は約230℃であり、加熱調理に強いのも特徴です。含まれている脂肪酸は多価不飽和脂肪酸のリノール酸が一番多く、約50%ほど含まれています。そのほか、飽和脂肪酸のパルミチン酸が約23%、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が約17%ほど含まれています。

 綿の栽培は世界各地で行われていますが、遺伝子組み換えの品種が多く栽培されているため、綿実油の原料となる種子もまた、遺伝子組み換え品種由来の種子であることが多いと言えます。

綿実油の使い方

 綿実油は上品な風味とまろやかな味わいが特徴であり、サラダ油の原料になるほど、クセがなく使いやすい油です。発煙温度は233℃と高く、加熱にも強いことから、炒め物や揚げ物、焼き菓子など幅広く使うことができます。

 また、加熱調理後に冷めても風味が落ちにくいため、缶詰や冷凍食品、マヨネーズ、マーガリンなどの加工食品にも使われています。

 綿実油は比較的高価な食用油であり、一般家庭ではそれほど使われていませんが、風味が良く、ホテルや高級レストランでシェフに愛用されています。生食でも揚げ油としてもスープの隠し味としても使う事ができ、料理の万能油といえます。



食用油の種類一覧(あいうえお順)

アボカドオイル
亜麻仁油(フラックスシードオイル)
アーモンドオイル
アルガンオイル
ウォールナッツオイル
えごま油
オリーブオイル
かやの実油
からし油(マスタードシードオイル)
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グレープシードオイル(ぶどう油)
健康オイル
ごま油
小麦胚芽油
米ぬか油
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サラダ油
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ピーナッツオイル(落花生油)
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