えごま油はシソ科のえごまの種子から採った油であり、シソ特有の香りが特徴です。えごまは日本で古くから栽培されており、近年はα-リノレン酸が豊富に含まれていることで注目が集まりました。えごま油がどのような油なのか、ぜひとも知っておきましょう。
えごま油は「えごま」と呼ばれるシソ科の植物の種から搾油した食用油であり、ゴマとは関係がありません。最近テレビで紹介されるようになり、健康によい油としてとても有名になりました。この「えごま」は青シソの仲間でありますが、えごまと青シソは同じものではありません。
えごまの歴史は非常に古く、日本では縄文時代から食用として栽培されていたとされています。えごまの栽培がされている地域では薬味や料理、お菓子に使われてきました。
また、えごまの種子は食用としてのほか、油の原料としても古くから使われており、かつては灯火の油としても使われていました。
菜種油が普及してからはえごま油の生産量が減少し、最近まではほとんど知られていませんでしたが、えごま油の健康効果に注目が集まり、えごま油の名前が広く知られるようになりました。
えごま油は「しそ油」の名前でも販売されています。えごま油としそ油が別の油として考えている人もいますが、しそ油とえごま油は同じものです。
これまではえごま油の知名度が低かったことから「しそ油」として売られることが多かったのですが、最近では「えごま油」を前面に押し出して販売されることが多くなりました。
和名 | エゴマ油(シソ油) |
英名 | Perilla Oil |
科名 | シソ科 |
原料部位 | 種子 |
保存法 | 冷暗所 |
調理方法 | 生食 |
えごま油は香草であるシソの種子を原料としているため、豊かな風味や芳香が特徴です。そしてなんと言っても、必須脂肪酸(体内で合成することができず、食品からの摂取が必要な脂肪酸)であるα-リノレン酸を豊富に含んでいることで注目を集めています。
食用油に含まれている脂肪酸には、飽和脂肪酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸の4つがあり、オメガ3とオメガ6の脂肪酸は体内でつくることができないため、食品から摂らなければならないという意味で「必須脂肪酸」と呼ばれています。
オメガ6脂肪酸は一般的なサラダ油などに含まれているのであまり意識する必要はありませんが、オメガ3脂肪酸は魚などに含まれており、日本人の摂取量は以前に比べて減少傾向にあります。
えごま油に多く含まれているα-リノレン酸は、体内で代謝されてオメガ3脂肪酸グループのEPA、DHAになることが特徴で、生活習慣病の予防に役立つと考えられています。
現在、「動物性脂肪」「リノール酸主体の植物性油」に次ぐ、“第3の油”として注目されています。
えごま油は熱や光に弱く、酸化されやすい食用油であり、炒め物や揚げ物などの加熱調理に使うなどもってのほかです。そのため、えごま油は何もせずにそのままの形で摂取するのが最適であると言えます。
クセがない油ですので、ヨーグルトや納豆、サラダ、ごはんなどにそのままかけても、違和感なく食べることができます。和え物やドレッシングの油として使うのもおすすめです。
ただし、いくらえごま油が健康によいと言っても、油は油です。油はカロリーが非常に高いので、肥満防止のためにも1日当たり小さじ1杯程度にする必要があります。
えごま油を保存する場合は、酸化防止のために光と熱を避ける必要がありますので、冷蔵庫などの冷暗所に保管し、酸化を防ぐために開封後1ヵ月で使い切るように心がけましょう。
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