オリーブオイルは食用油の中でもっとも古い歴史があり、世界中で愛されている油と言っても過言ではありません。オレイン酸が豊富に含まれており、生食から加熱調理まで幅広く使えます。オリーブオイルがどのような油なのか、ぜひとも知っておきましょう。
パスタやピッツァなど、イタリア料理が日本でメジャーになるにつれて、オリーブオイルが広く一般家庭に普及しました。また、オレイン酸を多く含むことが知られ、健康オイルの先駆けとしても知名度が大きく上がりました。
オリーブは地中海地方が原産とされており、オリーブオイルを使い始めたのも地中海地方が最初とされています。地中海などで育つオリーブの実をすり潰したり圧搾して取り出した油であり、ごま油と並んで、世界最古の歴史をもつ油です。
世界の生産量を見てみると、ダントツの1位がスペインであり、世界の生産量の過半数を占めています。日本では香川県の小豆島でオリーブの栽培が行われており、国産のオリーブオイルがつくられています。
食用油の多くは種子が原料であり、加熱処理や化学薬品による溶媒抽出によって油を得ることが多いのですが、オリーブオイルは果肉を圧搾して油を得る製法がほとんどです。
オリーブオイルには製法や品質によっていくつか種類があり、エクストラバージンオリーブオイルやピュアオリーブオイルなどと呼び方が変わります。「ピュア=純度が高い」というイメージから、ピュアが一番品質が良いと誤解されがちですが、一番品質の良いオリーブオイルはピュアではなく、エクストラバージンです。
和名 | オリーブ油 |
英名 | Olive Oil |
科名 | モクセイ科 |
原料部位 | 果実 |
保存法 | 常温、暗所 |
調理方法 | 生食、加熱 |
精製することなく圧搾や遠心分離などの処理だけでできたオリーブオイルを「バージンオイル」と呼び、なかでも酸度が0.8%以下のものを「エクストラバージンオリーブオイル」と呼びます。
一方、品質が劣るオリーブオイルを精製して酸度を0.3%以下にしたものを「精製オリーブオイル」と呼び、精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたものが「ピュアオリーブオイル」と呼ばれています。
オリーブの鮮度が悪くなると酸度も上がっていきます。上記のことからわかるように、鮮度がよく、精製などの処理を加えることのない、最も品質がよいのがエクストラバージンオリーブオイルなのです。
オリーブオイルには不飽和脂肪酸のオレイン酸が非常に多く含まれており、脂肪酸全体の70〜80%も占めています。オレイン酸は生活習慣病の予防に効果があるとされており、オレイン酸を多く含むオリーブオイルに注目が集まりました。
オリーブオイルは加熱調理に使ってはいけないと思われがちですが、決してそんなことはありません。オリーブオイルの主成分はオレイン酸であり、比較的熱に強いのです。
オリーブオイルの発煙温度は、ピュアオリーブオイルで220℃、エクストラバージンオリーブオイルでも180〜210℃とされています。一般的な揚げ物が180℃であることを考えると、オリーブオイルは十分加熱調理に使えると言えます。
ただし、加熱すると風味や香りがなくなりやすくなりますので、風味や香りを楽しみたい場合は、エクストラバージンオリーブオイルをドレッシングや和え物などの生食用とし、加熱調理には風味や香りの少ないピュアオリーブオイルを使うのがお勧めです。
どんなに新鮮なオリーブオイルを買っても、保存条件が悪ければ劣化していきます。オリーブオイルは光(紫外線)と熱、酸素によって風味が変わってしまいます。熱くなりやすいコンロ周辺に置くのは避け、常温の暗所(シンク下や戸棚)に保管するようにしましょう。
冷たくした方が長持ちすると冷蔵庫に入れている人がいますが、オリーブオイルは冷やすと白く濁ったりすることがあります。温めることで元に戻りますが、それを繰り返していると劣化の原因になりますので、常温保存で大丈夫です。
ただし、オリーブオイルは開封すると徐々に劣化が始まりますので、開封後は1〜2か月を目安に使い切るようにしましょう。
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