かやの実油は日本で古くから使われており、かやの実自体は縄文時代から食べられていたとされています。かやの木が減少したことで、かやの実油が大変貴重なものとなっています。かやの実油がどのような油なのか、ぜひとも知っておきましょう。
かやの実油は、榧(かや)の木になる実から搾油した油で、日本では非常に古い歴史があります。かやの木自体が明治以降に非常に少なくなっているため、それに伴ってかやの実油も貴重品となりました。また、江戸時代以降の文献を見ても、最高級の油として重宝されていたことがわかります。
かやの木は東北より南側の地域に存在しており、実は食用となります。かやの実は縄文遺跡からも見つかっており、非常に古い時代から食べられていたと考えられています。材木部分は樹脂が多く耐朽性に優れており、将棋盤や碁盤の材料として用いられてきました。
かやの実油は元来灯明に使われていましたが、古くから食用にも使用されてきました。かやの実油で揚げた香味は、ごま油で揚げたものより優れているという記述が古典にもあるほどです。
和名 | カヤ油 |
英名 | Kaya nut Oil |
科名 | イチイ科 |
原料部位 | 果実 |
保存法 | 常温、暗所 |
調理方法 | 加熱 |
かやの実油には健康や美容によいとされるビタミンEが豊富に含まれています。また、リノール酸やオレイン酸などの脂肪酸も含まれており、脂質を減らす効果が期待できます。
かやの実油にはクセがなく、ほのかな甘みと豊かな香りが特徴的な油です。昔から最高級の油と称されてきましたが、かやの木の減少に伴ってかやの実油の生産量も減少し、現在では幻の油とされています。
かやの油で天ぷらを揚げるとカラッと揚がるといわれていますが、生産量が少なくほとんど出回っていません。しかし、現在でも一部の天ぷらの専門店ではかやの実油にこだわって使用しているところがあるそうです。
かやの実油は揚げ物のほかにも、オリーブオイルのような感覚で使用することができ、ドレッシングオイルに用いたり、パンに塗って食べることもできます。
かやの実油は大変貴重なため、かやの実油だけで揚げ物をするのは難しいのですが、くせのない揚げ油に10%ほど混ぜて使用するだけで、揚げ物が胃もたれしにくい仕上がりになります。
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